特別支援学校の教育要領と学習指導要領 文科省が告示

文科省は、特別支援学校の幼稚部教育要領と小学部、中学部の学習指導要領を4月28日、告示した。
パブリックコメントを踏まえ、小・中学部の総則の中に、児童生徒が豊かな創造性を備え、持続可能な社会の創り手となるための生きる力の育成などを設けた。学びの連続性や個に応じた指導、自立と社会参加に向けた教育の充実を図っていく。

同教育要領と学習指導要領では、パブリックコメントなどを参考に、3月17日に示された改訂案に対して複数の修正を行った。小・中学部の総則では、児童生徒が豊かな創造性を備え、持続可能な社会の創り手となるための生きる力の育成を目指す点などを加えた。

大きな柱は3つ。学びの連続性を重視した対応では、知的障害のある子供のための各教科目標や内容を、育成を目指す資質能力の3つの柱の「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力」「学びに向かう力、人間性等」に基づいて整理。幼小中高各部の各段階や幼小、小中のつながりに配慮した系統性のある内容設定を工夫した。

知的障害の子供たちは、同一学年でも障害の状態や経験が多様なため、学年単位で一律な教科内容を示さない「段階」による内容設定を図った。中学部では、新たに「2段階」の学習内容を設けた。小学部では「外国語活動」が行える内容を規定している。

一人ひとりに応じた指導では、障害特性に応じた指導で配慮する内容を充実させた。視覚障害では「空間や時間の概念形成の充実」、聴覚障害では「音声、文字、手話、指文字などを活用した意思の相互伝達の充実」などを押さえた。発達障害をはじめ多様な障害に応じた指導を充実させるために、「自立活動」に「障害の特性の理解と環境調整に関する内容」を規定している。

自立と社会参加に向けた教育の充実では、卒業後の視点を大切にしたカリキュラム・マネジメントを、計画的、組織的に行うなどを盛り込んだ幼小中段階からのキャリア教育の充実や、生涯学習への意欲を高める視点も示した。

幼稚部が平成30年度から全面実施。小学部は30~31年度が移行期間で、32年度から全面実施。中学部は30~32年度が移行期間で33年度から全面実施となる。

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